毎日のように患者様に提供されているセラミックによる治療ですが、歯科医院のスタッフや患者様からすると、
「型取りをして歯科技工士に手渡すと、あとは勝手に出来上がってくる」ように感じておられるのではないかとおもいます。
しかしながら、実際には、歯の形や色調は、顔立ちや年齢、性別などによる違いを考慮して、
ひとりひとりに対して最も適切なセラミックをオーダーメイドで丁寧に、こだわって作成しているのです。
そして、その結果、色調・形態が、まるで本物のような仕上がりとしてご提供できるのです。
まず、最初にセラミックが必要な患者様とお話をさせていただき、じっくりとカウンセリングをします。カウンセリングをする事で、患者様のご要望をしっかりと把握する事ができます。もちろん、ただ患者様のご要望をただ聞くだけではありません。患者様がおっしゃっているご要望と最終的な理想のセラミックのイメージが重ならない場合には、プロとして最適なコンサルティングをご提案させていただいております。
私は、このカウンセリングとコンサルティングという工程こそが、最終的に出来上がるセラミックの質を左右する最重要ポイントだと考えていますので、歯科技工士として必ず患者様と直接お話をさせていただくようにしています。
また、先程お話した、カウンセリングとコンサルティングを行う時には、セラミックの歯に最も適した色を選択する「シェードテイキング」という作業も行います。
歯の色は人それぞれに異なり、同じ口の中でもよく見ると一本一本実は微妙に色が違っています。専門的な話をすると、歯の色は色の濃さ、明るさ、透明感という三つの要素に分けて分析でき、歯の先(切端)と根元(歯頸部)、歯の表面と深部では色が異なります。歯に模様が入っている場合や色素沈着が生じている場合もあります。
このような違いを見分けてその歯に最も適した色を選択する「シェードテイキング」は審美歯科治療を行う上でとても重要な作業になります。
患者様にお聞きしたご要望やシェードテイキングで選択した色など様々な情報を元に、技工所でセラミックを作っていくのですが、まず最初は、歯型をから模型を作ります。
模型を作る時には、泡を入れないように、慎重に歯型に石こうを流します。石こうが固まると患者様のお口の中を正確に再現した模型が出来上がります。石こう模型に台座を取り付けて、歯を1本ずつ切り分けると作業用模型が完成します。この作業用模型の完成によりセラミック作成の作業が進められます。
セラミック作成の作業は、セラミックの粉を溶かしてペースト状にしたものを、何層にも分けて筆でジルコニアの上に盛りつけていきます。1本の歯を作るために10種類以上ものセラミックを使用します。そして、色を合わせていきます。
患者様とのカウンセリングがしっかりできてるかどうかで、歯の形や色などの結果が大きく変わってきます。大体の歯の形が完成すると、一度高温の炉の中に入れてセラミックを焼き固めます。細かな内部構造や色を出していくためにこの作業を何度か繰り返します。
焼き上がったセラミックの歯の形を調整して、表面の質感を与えていきます。
その後、数種類の研磨用バーを使って表面のつや出しをします。
最後に低温の炉の中で、表面を一層だけ焼いてツルツルとした質感に仕上がるとセラミックは完成になります。完成後、しっかりと滅菌を行った上で、歯科医院様にお届けいたします。
これだけの行程を経た上で、セラミックが患者様のお口に装着されます。
患者様、歯科医院、歯科技工士、様々な方々の協力によって、こだわりの「歯」を完成することができました。
もちろん、患者様が納得するまで調整などの対応は最後までさせていただいております。
患者様の「ありがとう」の一言のために、これからもこだわったセラミックを作り続けていきたいと思います。
よく噛める綺麗な歯を製作し、患者様の笑顔を見る為に、「患者様の気持ちを第一に考える」をモットーとして、日々の技工への取り組みを行っている歯科技工士。
気になることや不安なことを気軽に相談できるスタンスで患者様からも非常に高い信頼を得ている。
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